【トレセンのウマい話】ノーザン期待の厩舎が重賞初V 北の大地から躍進必至、来年以降も注目の“騎手×厩舎”コンビは

厩スポイラー

2025-07-02 16:30

【トレセンのウマい話】ノーザン期待の厩舎が重賞初V 北の大地から躍進必至、来年以降も注目の“騎手×厩舎”コンビは
【トレセンのウマい話】ノーザン期待の厩舎が重賞初V 北の大地から躍進必至、来年以降も注目の“騎手×厩舎”コンビは
先週の福島・函館で行われた2重賞は、いずれも重賞初勝利となる伏兵が激走。ラジオNIKKEI賞はレイデオロ産駒のエキサイトバイオ、函館記念では10番人気ヴェローチェエラ、ともに所属騎手・厩舎との“縁”が実を結んだ形だ。新に深まりつつある人馬・厩舎のラインにも注目が集まる。
先週から夏のローカル開催がスタート。開幕週の福島ではラジオNIKKEI賞が、また函館では昨年まで開催最終週に組まれていた函館記念が3週繰り上げで行われた。結果はラジオNIKKEI賞がレイデオロ産駒の4番人気エキサイトバイオが重賞初制覇。函館記念では10番人気ヴェローチェエラが1分57秒6のタイムで1着となり、37年前にサッカーボーイがマークした函館芝2000mのコースレコードを更新し、こちらも重賞初勝利を飾っている。

どちらも重賞初優勝となる2頭が勝利した先週のローカル重賞であったが、中堅馬主のレーシングマネージャーMは

「ラジオNIKKEI賞を勝ったエキサイトバイオは荻野極騎手騎乗で、栗東の今野厩舎所属。荻野騎手はジャンダルムでスプリンターズSを制覇した栗東所属の騎手だけど、近年は美浦を拠点にしていた。この5月には鹿戸(雄一)先生の娘(タレントの成瀬琴)さんと結婚したばかり。もともと東京の出身でこの先も美浦をメインに乗っていくのだろうけど、栗東の厩舎からも依頼が入る関係を維持できているのは大きい。今夏注目したい騎手の一人ですね」

と、荻野騎手に言及した。デビュー10年目で坂井騎手と同期。今や世界の大舞台にも立つよきライバルがいて、新たな家族ができ節目の10年目を迎えるだけに飛躍を期待できそうだ。

「今野厩舎はマルカラピッドで交流重賞のエーデルワイスを制しているものの、JRAの重賞は今回が初勝利。開業14年目で、管理馬からは既に重賞を勝っていそうだっただけに、意外という感じ。ちょうど開業3年目くらいにノーザンファームからロカ(馬主は吉田勝己氏)という馬を預託され新馬戦を快勝。その勝ちっぷりから阪神JFでは1番人気に推されたものの8着、クイーンCでも1番人気ながら3着に敗れてクラシック出走は叶わなかった。その後ノドを痛めて引退したのだけど、このロカはディープインパクトやブラックタイドの姪。というより、今はレガレイラの母と言ったほうがわかりやすいか。今野厩舎にはロカのふたつ下の妹でブルークランズっていうのも預託されて、3勝をマーク。それでこのブルークランズの仔が桜花賞馬のステレンボッシュ」

なるほど、つまり開業当初から期待されていた厩舎だったということか。

「今年はシルクロードSでグランテストが2着、アンタレスSではタイトニットが2着、そして函館スプリントSではドンアミティエが3着と惜しい競馬が続いていたけど、重賞に勝ったので流れが変わるかもしれないね」

荻野騎手が今野厩舎の馬で勝利したのは22年1月の門司Sでのエクレアスパークル(8番人気)以来。この夏は荻野極騎手、今野貞一厩舎、そして荻野&今野コンビにも注意したい。

いっぽうヴェローチェエラが勝利した函館記念はどうだろうか。

「サッカーボーイのレコードがついに更新されてしまったね。まぁ1994年の馬場改装で洋芝に替わっていなければ、もっと早く更新されていたかもしれないけど。開幕週のハギノトップレディが持っていた2歳芝1000mといい、名馬が記録して長年残っていたレコードが消えるのは寂しいね」

哀愁を放った中堅馬主のレーシングマネージャーMがやや老け込んだように映ったが、

「さて函館記念。勝ったヴェローチェエラは佐々木大輔騎手騎乗で、栗東の須貝尚介厩舎の所属。さすがは函館の主である須貝先生でしたね。近年は私も函館はご無沙汰なので分かりませんが、須貝先生は競馬場ではもちろん、五稜郭近辺の歓楽街でも主でしたから(苦笑)」

中堅馬主のレーシングマネージャーMの調子が元に戻った。

「佐々木大輔騎手は2年前の函館リーディングジョッキーで、たしか史上最年少でのリーディング獲得でした。去年は他陣営の包囲網も3位に敗れ、今年もやや低調でした。それでヴェローチェエラも10番人気まで落ちていたのかもしれませんね。この佐々木大輔・須貝尚介コンビは去年マジックサンズで函館新馬戦、札幌2歳Sを連勝。その後もサウジアラビアロイヤルCをアルテヴェローチェで制すなど好調でしたが、今年はこの函館記念が3勝目とやや苦戦していた。こちらも重賞を勝ったことで、流れが変わってくるかもしれません」

と、美浦所属の佐々木騎手を積極的に騎乗させている栗東のトップステーブル須貝厩舎の関係に注目していた。佐々木騎手のJRA通算騎乗数のうち、136回の最多はもちろん自厩舎の菊川厩舎だが、それに次ぐのが111回の須貝厩舎だ。さらに須貝厩舎での21勝は厩舎別で最多。少なくとも須貝調教師は佐々木騎手を買っているのだろう。調教師の意向だけで鞍上は決まらないだけに、この夏の佐々木騎手の活躍次第で来年のクラシック騎乗も十分ありえそうだ。

今週は小倉で北九州記念が組まれており、重賞勝利でさらにいい流れを呼び寄せる騎手、調教師が出てくるかもしれない。

無料会員登録はこちら!

ニュースの閲覧やコメントの書き込みで「スコア」が貯まる!みんなのパドック診断にも参加可能!
メールマガジンで最新情報をお届け

今すぐ登録
 この記事は参考になった  18

オーサープロフィール

厩スポイラー
『トレセンのウマい話』
このオーサーのプロフィール

関連リンク

無料会員登録はこちら!

ニュースの閲覧やコメントの書き込みで「スコア」が貯まる!みんなのパドック診断にも参加可能!
メールマガジンで最新情報をお届け

今すぐ登録

「取材」の新着記事

連載コラム記事
いいね数ランキング

1

【ヴィクトリアマイル/穴ライズ】近2戦は「度外視レベル」の敗戦 課題克服の気配漂う想定“10人気”前後に一発あり

山田剛(Winsight Producer)

ゲートさえ克服できれば、過去10年で最多5勝を挙げる3枠から流れに乗り、馬券内突入の可能性はゼロではない。一気の人気落ちが濃厚のここで一発ありと見た。

38
2

【ヴィクトリアマイル/全頭診断】アスコリピチェーノは馬場次第で鉄板級か 伏兵クリスマスパレードに”馬券内率75%”

馬柱探偵 田原基成

YouTuberとしても活躍する馬柱探偵・田原基成のヴィクトリアマイル出走馬全頭診断。今年は4歳世代のGI馬アスコリピチェーノにステレンボッシュ、1勝馬ながらボンドガールも人気上位想定。大波乱のNHKマイルCから1週間、牝馬マイルGIをどのようにジャッジしたのか?

35
3

【日本ダービー2025/穴ライズ】バックボーンゆえか下馬評は低いまま……このまま伏兵扱いなら「買い」の単勝オッズ“2桁”想定

山田剛(Winsight Producer)

常に高いレベルで状態をキープし、レースでも力を出し切れるのは大きな強みであり、姉セキトバイーストが道悪をこなしている点から恐らく馬場も不問。今回も上位進出はじゅうぶんにあり、このまま伏兵扱いなら積極的に「買い」だ。

35