【トレセンのウマい話】短期免許にも直結するWASJ「今春のモレイラの活躍が成功例」 夏競馬を盛り上げるJRAの仕掛け

厩スポイラー

2025-08-27 17:00

【トレセンのウマい話】短期免許にも直結するWASJ「今春のモレイラの活躍が成功例」 夏競馬を盛り上げるJRAの仕掛け
【トレセンのウマい話】短期免許にも直結するWASJ「今春のモレイラの活躍が成功例」 夏競馬を盛り上げるJRAの仕掛け
外国人騎手の短期免許取得にも関わるWASJ。今年はドイツのT.ハマーハンセン騎手が優勝。チーム対抗戦では9回目にして初めて外国騎手・地方競馬所属の騎手チームであるWAS選抜がJRA選抜を抑え勝利した。その余韻冷めやらぬなか、夏競馬最終章の新潟記念は別定戦に替わり、例年以上の好メンバーで、波乱か堅実かの見極めが問われる。
早いもので夏競馬も残り1週となった。先週は札幌で9回目となるワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が開催され、第2戦と第3戦を制したドイツのT.ハマーハンセン騎手が優勝。昨年のJ.モレイラ騎手に続き2年連続での外国騎手による優勝ととなるとともに、チーム対抗戦では9回目にして初めて外国騎手・地方競馬所属の騎手チームであるWAS選抜がJRA選抜を抑え勝利した。

WASJと外国人騎手の短期免許について専門紙記者Kは、

「WASJは2014年まで秋の阪神や東京で開催されていたWSJS(ワールドスーパージョッキーズシリーズ)をリニューアルしたもの。夏競馬、あるいは札幌開催を盛り上げるためにスタートしたものの、最初は北半球がシーズン中のこの時季にわざわざ外国騎手が来てくれるのか微妙だった。いっぽうで観光気分で来日する騎手ではなく、賞金、騎乗手当の高い日本で騎乗したいというやる気のある騎手を呼べるようになった面もあり、第1回は当時、香港所属だったモレイラ騎手が優勝。翌年以降の短期免許騎乗にもつながった。さらにモレイラ騎手は去年のこのシリーズで2度目の優勝を果たしたことで、今年の短期免許騎乗が可能になった。そう考えるとこのリニューアルは成功したといえるし、すっかり定着しましたね」



JRAは昨年からWASJでの外国騎手の総合順位5位以内を短期免許発行時の成績要件に追加。昨年優勝のモレイラ騎手はこの要件クリアで今春の短期免許騎乗が可能となり、サトノレーヴ(高松宮記念)、エンブロイダリー(桜花賞)、ミュージアムマイル(皐月賞)での勝利につながった。

「ハマーハンセン騎手は昨年のドイツリーディングジョッキーで、ドイツダービーの勝利騎手。これで今冬以降に日本で騎乗する可能性が出てきました。WASJ優勝も素晴らしいけど、シリーズ4戦で2勝をあげたのは評価されるでしょ。ほかには中京で短期免許騎乗していたバデル騎手も土曜日の札幌で2勝。ブラジル出身でアルゼンチンリーディングのゴンサルベス騎手も土曜日の4Rを勝利して、モレイラ再来か!? なんて声が上がってました。シリーズとしてはもちろん、今年のWASJはこの先の騎手事情的にもおもしろくなりそうです」(専門記者・K)

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夏競馬最終週の今週は新潟記念、中京2歳Sが行われるが、中京2歳Sは昨年までの小倉2歳Sを名称変更したもので、距離も1200mから1400mへ延長、新潟記念も昨年までのハンデ戦に替わり、今年は別定戦として施行される。このことについて専門記者Kは、

「別定戦に替わった新潟記念は、馬、騎手ともにメンバーが揃った。ヴィクトリアマイル2着で金鯱賞など重賞3勝のクイーンズウォークは川田騎手とのコンビ、同3着で中山牝馬S勝ちシランケドは坂井騎手を背にエントリー。デビューから3連勝で青葉賞を制したエネルジコはルメール騎手。戸崎騎手が他馬に騎乗することになったので騎手は未定も、安田記念4着以来で2年前のエリザベス女王杯馬ブレイディヴェーグも出走予定。その戸崎騎手はブリックスアンドモルタル産駒の4歳馬アスクカムオンモアに騎乗する。例年より好メンバーと言えますよ。正直、GIIの札幌記念よりいいメンバーが集まっているのでは」

たしかに、想定メンバーを見ると、ほかにも七夕賞勝ちのコスモフリーゲン、小倉記念2着のシェイクユアハート、函館記念1着で札幌記念10着から中1週で出走のヴェローチェエラ。そしてそのヴェローチェエラにここ2戦で騎乗していた佐々木大輔騎手がコンビを組むドバイターフ2着のダノンベルーガなど、秋競馬の足音が近づく好メンバーの名前が並ぶ。

「北海道の関係者を中心とし、札幌記念のGI格上げに力を入れているようだけど、新潟記念が別定戦になったことで、新潟記念のGII格上げのほうが現実味を帯びてきた。さらにこの先これぐらいのメンバーが揃うようなら、札幌記念よりも新潟記念が夏のスーパーGIIなんて言われかねないんじゃないですか」

今年は春の最後のGI、年末最後のGIはともにグランプリレースになり、施行条件の変更や重賞格上げなど競馬ファンの動向をキャッチアップしたようなレーシングスケジュールだ。夏競馬を盛り上げようとするJRAの仕掛けが垣間見える。

2週前の中京記念はハンデ戦から別定戦に替わり、結果は5→7→10人気、3連単は36万馬券と高配当となった。また、例年手堅く決まる札幌記念も10→2→13人気の波乱。新潟記念はもともと波乱含みのレースではあったが、別定戦に変わったことで堅実決着へと傾向が替わるのか、はたまた直近の傾向のように波乱が待ち受けるのか。夏競馬最終週、荒れるほうにBETするのもアリだろう。

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