【NHKマイルC/危険な人気馬】「0.0.0.9」の圧倒的消し条件…名手鞍上も不安要素満載
石川豊
2025-05-06 16:00

今週は、3歳のマイル最強馬決定戦、第30回NHKマイルC(GI、芝1600m)が東京競馬場で行われる。 今年は、朝日杯FS覇者のアドマイヤズームを筆頭に、NZTを制したイミグラントソング、同3着コートアリシアンや、チャーチルダウンズC覇者ランスオブカオス、同2着アルテヴェローチェ、同3着ミニトランザットといったトライアル組に加え、札幌2歳S覇者マジックサンズ、函館2歳S覇者サトノカルナバル、フィリーズレビューを制したショウナンザナドゥ、京王杯2歳Sを勝っているパンジャタワー、ファルコンSを制したヤンキーバローズ、新潟2歳S覇者トータルクラリティなど、重賞ウイナーもズラリ揃い、混戦に拍車をかけている。 そんな中、NZTを制して勢いに乗るイミグラントソングが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。 ■勝ってはいけないNZT イミグラントソングは2戦目で未勝利を脱出し、1勝クラスでは、2戦足踏みして勝ち切れなかったが、前走のNZTでは、2歳王者アドマイヤズームを相手に、後方から鋭い決め手を発揮して差し切り勝ち。勇躍、NHKマイルCへ駒を進めた。2戦目からはすべて上がり最速の末脚を見せており、3戦目のひいらぎ賞では、2歳コースレコード決着の中、差のない2着に好走しており、府中での高速決着は歓迎材料だろう。 しかし、NZTを勝ってしまったことが、イミグラントソングにとって呪縛となる。過去10年のNHKマイルCで、NZT2着馬の成績が【1.2.0.4】と、まずまずの好結果を残しているのに対し、NZT勝ち馬の成績は【0.0.0.9】で、勝ち馬どころか、馬券圏内にすら1頭も来ていない。ゆえに、中山マイルで好結果を残す=東京マイルに結びつかない、という結論にたどり着き、今年のイミグラントソングも…という予感は漂う。 また、前走で上がり最速をマークしている点も、東京ではさらに有利に働きそうに思えるが、NHKマイルCにおいては、そうとも限らない。過去10年、前走で上がり最速をマークした馬の成績は【0.3.3.21】と、意外と勝ち切れていないのが事実。馬券圏内の6頭中4頭が、本番でも上がり最速をマークしているが、戴冠には至らなかった。逆に考えると、本番で上がり最速をマークできなければ、馬券圏外に飛ぶ可能性大といえる。 加えて、前走が中山コースだった馬で、4角7番手以下だった馬の成績は、【0.2.2.29】と、これもまた勝ち切ることができていない。過去10年のNHKマイルCでは、4角10番手以内が【8.6.6.91】と、中団より前めの位置でレースをした馬が好結果を残しており、後方から運んでしまうと、脚を余すこととなり、イミグラントソングも、レース運びが重要なポイントとなるだろう。 前走は石川の好エスコートが光った一戦で、今回、テン乗りとなるルメールに替わる点は、名手といえども決してプラスとは言えないと考える。父マクフィも、東京ではマイルよりもやや短距離指向の傾向にあり、血統面でも不安材料がよぎる。これらの点も含めて、過剰に人気を集めるようであれば、妙味ほどの信頼度はなく、少なくとも「頭」勝負は避け、場合によっては「消し」でいってみたい。
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