【天皇賞春/危険な人気馬】人気一角に血統&ローテのWパンチ “不穏4歳馬”の法則+「0.1.1.16」で妙味なし
石川豊
2025-04-29 18:00

今週は春の古馬長距離王決定戦、第171回天皇賞・春(GI、芝3200m)が京都競馬場で行われる。 特別登録馬のなかでは、一昨年の覇者ジャスティンパレス、昨年の宝塚記念を制したブローザホーンがGI馬に該当。これに対抗するのは阪神大賞典を制したサンライズアース、日経賞を勝ったマイネルエンペラー、海外のレッドシーターフHを制したビザンチンドリームといった重賞ウイナーたちにショウナンラプンタ、ハヤテノフクノスケなど勢いのある4歳勢だ。 そんな中、ダイヤモンドS制覇からビッグタイトル獲得を狙うヘデントールが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。 ■4歳馬は“菊花賞勝利か否か”に大きな壁 今年は7年ぶりに菊花賞馬が不在で争われる天皇賞春。その状況を鑑みると、昨年の菊花賞で2着に好走したヘデントールが俄然注目を集める存在となるだろう。昨夏に条件クラスを強い勝ち方で突破して菊花賞に駒を進めると、同レースは出遅れながら徐々に進出して初のGIで2着に健闘。今年初戦のダイヤモンドSでは後続を寄せ付けず、4馬身差の快勝劇を演じたようにステイヤー資質の高さを見せつけている。 しかし、4歳馬は“菊花賞を勝っているか否か”に大きな壁があるのが事実。2005年以降の菊花賞で、勝利した馬の翌年の本レースでの成績は【4.0.2.4】。4頭が春の盾も制しているのに対し、菊花賞2着馬の翌年の本レースでの成績は【0.0.2.9】で、最高着順は3着。レインボーラインが菊花賞2着から翌々年に制した例はあるが、菊花賞馬か否かという点は本レースの成績に大きな結びつきがある。 また、前走がダイヤモンドSという点も決して歓迎すべき材料ではない。過去10年の天皇賞春で、前走ダイヤモンドS組の成績は【0.1.1.16】。1頭も勝ち馬を輩出しておらず、主要ステップレースの中では最も低い信頼度だ。昨年の覇者テーオーロイヤルはダイヤモンドSから阪神大賞典を経て3連勝で本番を制したが、22年時にはダイヤモンドS制覇から直行で3着に敗れているように、直行ローテの相性の悪さを物語っている。 加えて、ルーラーシップ産駒という点も不安なところ。同産駒の天皇賞春における成績は【0.0.0.3】。サンプルこそ少ないが、菊花賞馬キセキは3番人気で6着に敗れていた。また、同産駒の京都芝2400m以上の勝率はわずか3.9%で、勝ち鞍は17年菊花賞のキセキが最後。それ以降は勝ち星を挙げられておらず、産駒の相性の悪さは気にかかる材料だ。 今回は、名手D.レーン騎手とのコンビとなり、鞍上込みで注目を集めそうなヘデントール。だが、菊花賞はあくまで2着という点や、ダイヤモンドSから直行という臨戦過程、血統面での相性の悪さなど人気ほどの信頼度は高くなく、妙味を考えると少なくとも「頭」勝負は避け、場合によっては「消し」でいってみたい。
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