【トレセンのウマい話】6月最初の新馬戦は社台グループが全白星 モーリス産駒2勝の裏に垣間見える今年の“新馬事情”
厩スポイラー
2025-06-11 16:30

ダービーが終了し夏競馬がスタート。さっそく先週末には2歳新馬戦が東西で合計5鞍開催された。 世代最初の新馬戦となった土曜阪神5R(芝1600m)は北村友一騎手が騎乗した1番人気のモーリス産駒チュウワカーネギーが逃げ切って1着。いっぽう東京5R(芝1600m)はレーン騎手が騎乗した2番人気のスワーヴリチャード産駒ディバインウインドが2番手から抜け出して1着。なお1番人気に推されたルメール騎手騎乗のモーリス産駒ゾロアストロは2着であった。 日曜日は阪神5R(芝1400m)を高杉吏麒騎手が騎乗した1番人気のキタサンブラック産駒の牝馬ファムマルキーズが差し切って1着。東京5R(芝1800m)では昨年のセレクトセール1歳セッションで3億9000万円にて落札されたエピファネイア産駒のダノンヒストリーが、レーン騎手とのコンビで単勝1.2倍の支持に応えて逃げ切り勝ち。東京6R(芝1400m)ではルメール騎手騎乗で2番人気だったモーリス産駒の牝馬パープルガーネットが差し切って初勝利。川田騎手が騎乗した1番人気のロードカナロア産駒タフクッキーは4着敗退であった。 この結果を血統好きのスポーツ紙記者Sは、 「ありきたりだけど、順当な結果じゃないですか。というか、勝った5頭はすべて社台グループが育成を担当した馬でしたね。今春のクラシックも全勝だったように、やはり社台グループは抜けていますね」 1頭ずつ見ていくと、母デックドアウトが2016年のアメリカンオークス馬であるチュウワカーネギーはレイクヴィラファームが生産馬。昨年のセレクトセールで落札され育成はノーザンファーム空港が担当していた。2代母のエヴァディングタンペットがイタリアの1000ギニー馬というディバインウインドは、社台ファームの生産馬で育成も社台ファームが担当。3代母に米重賞を2勝のユーキャンドゥイットがいるファムマルキーズは、社台コーポレーション白老ファームの生産馬で育成担当は社台ファーム。半兄にダノンベルーガ、半姉にはボンドガールがいるダノンヒストリーは、ノーザンファームの生産馬でノーザンファーム空港が育成を担当。そして母コーディエライトが新潟2歳S2着というパープルガーネットは、ノーザンファームの生産馬でノーザンファーム早来の育成馬であった。 「今更ながら、というか改めて気づかされた新馬戦だった」と、どこか月並みなコメントのスポーツ紙記者Sであったが、気になった点もあったようだ。 「ダノンヒストリーが勝った東京芝1800m戦は、去夏クロワデュノールがデビュー勝ちしたのと同じ東京での最初の芝1800m新馬戦です。内容は悪くなかったのですが、レーン騎手が安全策で逃げてしまったのでクロワデュノールほどの迫力は感じませんでした。どちらかといえば2年前の同条件を勝ったダノンエアズロックが近いのかもしれない。良し悪しはもう一度走ってから判断したいですね。関西は土日ともに大久保龍志厩舎の馬が勝利。正直、こんな早い時期から新馬戦を連勝するような厩舎じゃない。もちろん大久保厩舎に文句はないけれど、関西のメジャー厩舎の2歳馬調整が例年ほどうまくいっていないのかもしれないです」 さらに私見と断りつつ、 「あのモーリス産駒が2勝。負けたものの1番人気に推された馬もいた。もちろんいい種牡馬だけど、走る産駒はだいたい秋ぐらいからデビューしていくのが通常。それが6月頭から2勝できたというのは、他の種牡馬産駒がうまくいっていないのか、はなからこの世代の期待馬は6月の新馬戦を狙っていなかったかのどちらかではないでしょうか」 と、その原因を推測した。 現2歳世代といえば、新種牡馬として2020年の三冠馬コントレイルが注目を集めている。コントレイル自身が9月のデビューであったように、産駒もあまり早い時期から使い始めることを想定していなかったのかもしれない。ほかにエピファネイア、キタサンブラック、スワーヴリチャードの産駒が勝利したが、現時点で大物感はさほどない。 だとすれば今年の6月の新馬戦は、例年とは趣が異なり意外な産駒が活躍する可能性がある。宝塚記念当日の阪神芝1800m戦や東京でもう1鞍組まれた芝1800m戦など注目を集める新馬戦が続いていくが、馬券妙味はそこに潜んでいるかもしれない。
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