【宝塚記念2025/外厩リスト】ガイアフォースは10日競馬で2着 陣営の戦略光る古馬GI戦線、春のグランプリは“あえて在厩”に要警戒か
坂路の家主 M
2025-06-12 17:30

先週の安田記念は昨年のNHKマイルC馬ジャンタルマンタルが1年1か月ぶりの勝利でGI通算3勝目を挙げた。2着には9番人気ガイアフォースが入り、1番人気に推されたソウルラッシュは3着に敗れた。上位馬の前走を見ると、ジャンタルマンタルは昨年末の香港マイル、ガイアフォースは香港のチャンピオンズマイル、ソウルラッシュと4着のブレイディヴェーグがドバイターフ、そして5着のウインマーベルはサウジアラビアの1351ターフスプリント。なんと掲示板に載った5頭すべてが前走海外出走馬であった。 帰国後の外厩利用状況は、ジャンタルマンタルが山元トレーニングセンター、ガイアフォースは宇治田原優駿ステーブル、そしてソウルフラッシュがチャンピオンヒルズであり、フェブラリーSから続いていた春のGIシリーズでのノーザンファームの東西外厩(天栄、しがらき)もしくはチャンピオンヒルズを利用していた馬による連勝(外厩非利用馬を除く)がストップしたことになる。 もちろんオークスで前走フローラSから外厩を利用せずに調整されたカムニャックが勝利している時点で、この3外厩利用馬のみによる連勝は条件付きとなっており絶対的なものではなくなっていた。とはいえ、ノーザンファームの東西外厩とチャンピオンヒルズ、そして今回の山元トレセンと、日本を代表するような外厩を利用した馬しかGIを勝っていない状況には変わりはない。 ちなみに安田記念上位馬の帰厩時期を調べてみると、ジャンタルマンタルが5月16日、ガイアフォースが5月28日、そしてソウルフラッシュが5月13日であった。注目すべきはガイアフォースで、4月末に香港から帰国し着地検疫後は外厩先でギリギリまで調整され、俗にいう10日前に帰厩する10日競馬。それでいて直前の坂路では51秒9-11秒5といつも以上の動きを見せていた。9番人気での2着好走は、外厩サイドが厩舎側のリクエストに応えてキッチリ仕上げた賜物といえよう。 さて、春のGIシリーズも最終戦の宝塚記念を迎える。今年の宝塚記念は開催が2週間の前倒しとなり、6月の阪神開催2週目に行われる。出走ラインナップを見てみると、大阪杯や春の天皇賞など、おなじみのレースからステップしてきた馬もいれば海外遠征、さらには前走が日経賞、暮れの有馬記念以来という馬もいる。どの外厩を利用したかよりも、どう調整されたかが重要になってきそうだが、まずは出走馬の外厩利用状況に関して確認したい。 【前走後外厩利用】 アーバンシック(ノーザンファーム天栄) シュヴァリエローズ(ノーザンファームしがらき) ショウナンラプンタ(社台ファーム鈴鹿) ソールオリエンス(山元トレセン) ダノンベルーガ(ノーザンファームしがらき) チャックネイト(山元トレセン) ドゥレッツァ(ノーザンファーム天栄) ベラジオオペラ(チャンピオンヒルズ) ボルドグフーシュ(社台ファーム鈴鹿) メイショウタバル(キャニオンファーム土山) ヨーホーレイク(ノーザンファームしがらき) リビアングラス(大山ヒルズ) レガレイラ(ノーザンファーム天栄) ローシャムパーク(ノーザンファーム天栄) ロードデルレイ(チャンピオンヒルズ) 【在厩調整】 ジャスティンパレス ジューンテイク 出走間隔的に在厩調整の馬は少ないが、同じ天皇賞春組であっても3着のショウナンラプンタが社台ファーム鈴鹿で調整されたのに対して、6着のジャスティンパレスは在厩調整。中5週の間隔だけに現代競馬の常識では短期放牧を挟むのだが、あえて在厩で調整されたジャスティンパレス陣営の意図が気になるところ。 またレガレイラは有馬記念直後に右前脚第1指骨剥離骨折が判明。手術後はノーザンファーム天栄で休養に入り、3月から坂路入りを再開したという。5月9日に帰厩してここまでじっくり調整されているようだが、調教ではどうすることもできないレース勘がどう影響するか。そのあたりにもポイントとなりそうだ。
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