【ヴィクトリアマイル/危険な人気馬】アスコリピチェーノに「0.0.1.13」の“消し条件” ローテ&血統の懸念材料あり
石川豊
2025-05-14 11:02

今週は、牝馬のマイル最強馬決定戦・第20回ヴィクトリアマイル(GI、芝1600m)が東京競馬場で行われる。 一昨年の阪神JF覇者アスコリピチェーノに、昨年の桜花賞馬ステレンボッシュと2頭のGI馬が参戦。対するは前哨戦の阪神牝馬Sを制したサフィラ、福島牝馬Sを制したアドマイヤマツリをはじめ、金鯱賞など重賞3勝のクイーンズウォーク、チャレンジCなど重賞2勝のラヴェル、ターコイズSを制したアルジーヌ。さらに中山牝馬S覇者シランケド、最強の1勝馬ボンドガールなど、マイル女王を狙う猛者たちの激しい戦いが見られそうだ。 そんな中、GI2勝目を狙うアスコリピチェーノが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。 ■前走1着はなぜか勝てない……最強牝馬でなければ消しでも 久々のGI制覇を狙うアスコリピチェーノ。2歳時は無傷の3連勝で阪神JFを制したが、昨年春は桜花賞、NHKマイルCともに2着と惜敗。秋の京成杯AHを制して、勇躍挑んだ豪州の超高額賞金レース・ゴールデンイーグルでは外枠発走やスタート直後の不利などもあって、キャリア初の12着に大敗。不完全燃焼の一年となった。 今季初戦はサウジアラビアの1351ターフスプリントに参戦し、ウインマーベルとの一騎打ちを制して海外の重賞で初勝利。間隔を空けて帰国初戦の今回は実績面でも優位に立ち、負けられない一戦といえよう。しかし、絶対的な存在かと問われると疑問符は付く。 アスコリピチェーノは1番人気に支持される公算大。しかし、過去10年のヴィクトリアマイルで、1番人気の成績は【2.2.2.4】と馬券内率60%を誇るものの勝った2頭は2020年アーモンドアイ、21年グランアレグリアで、いずれもすでに牡馬相手にGI勝ちを収めていた。つまり、牡馬勝りのスーパー牝馬じゃないとヴィクトリアマイルは勝つことができず、牝馬限定のGI勝ちによる実績で1番人気に推されていても意外と勝ち切れないのがこのレースの特徴だ。 また、前走1着馬が【0.3.1.33】と勝ち切れていない点もアスコリピチェーノにとって懸念材料。1351ターフスプリントからの臨戦といえば、22、23年のソングラインと同様のローテとなるが、同馬は22年は1351ターフスプリントを制して臨んだヴィクトリアマイルは5着に敗退。一方、23年は1351ターフスプリントで10着に大敗したものの、ヴィクトリアマイルは1着と巻き返しで奏功している。果たして、アスコリピチェーノは前走勝ってしまったことが本番に繋がるのだろうか。 ダイワメジャー産駒はマイルでの9勝を含む、GI10勝をマーク。ただ良績は2~3歳時に集中しており、古馬でのGI勝ちは14年高松宮記念を制したコパノリチャードのみ。古馬になってマイルのGIを制した例はなく、牝馬に限るとマイルGIは【0.0.1.13】の成績で、22年ヴィクトリアマイル3着のレシステンシアが唯一馬券圏内に入っただけ。この点もアスコリピチェーノにとってはマイナス材料だ。 先週のNHKマイルCでは3連単150万馬券が飛び出す荒れた一戦となったが、07年のNHKマイルCでピンクカメオが制して、973万馬券が飛び出した翌週のヴィクトリアマイルも、コイウタが制して228万馬券となった。荒れ相場は連動することが多いが、今年もその傾向に合致するのではないか。アスコリピチェーノは、1番人気に支持されるようであればそこまで信頼できるほどのスーパー牝馬ではなく、不安要素の多い前走1着馬。そして古馬GIで勝てないダイワメジャー産駒と妙味ほどの信頼度はなく、少なくとも「頭」勝負は避け、場合によっては「消し」でいってみたい。
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