【トレセンのウマい話】迫る「モレイラ・ロス」 2トップの“低空飛行”から見えてくる騎手事情

厩スポイラー

2025-04-22 18:10

【トレセンのウマい話】迫る「モレイラ・ロス」 2トップの“低空飛行”から見えてくる騎手事情
【トレセンのウマい話】迫る「モレイラ・ロス」 2トップの“低空飛行”から見えてくる騎手事情
短期免許で来日中のJ.モレイラは、3月29日から騎乗し、高松宮記念をサトノレーヴ、桜花賞をエンブロイダリー、皐月賞をミュージアムマイルで制して今春GI3勝。その裏で気になるのは2トップの低空飛行。果たして彼らの春GIシリーズ後半戦での巻き返しはあるのか……。
クラシック第1弾の皐月賞は単勝1.5倍に推されたホープフルS勝ち馬クロワデュノールが2着に敗れ、J.モレイラ騎手騎乗の3番人気ミュージアムマイルがGI初優勝を飾った。短期免許で3月29日から騎乗中のモレイラ騎手は、高松宮記念のサトノレーヴ、桜花賞のエンブロイダリーに次ぐ今春のGI3勝目。今回の短期免許期間内では4つ目の重賞勝利で、この4週間での勝利数を19勝まで伸ばしている。

ミュージアムマイルはリオンディーズ産駒で、昨年の朝日杯FSの2着馬。近親には昨年のオークスと秋華賞に優勝したチェルヴィニアをはじめとする活躍馬がいる。昨夏のデビューからの2戦と今年初戦の弥生賞は幸騎手、昨秋の2戦はC.デムーロ騎手が手綱を取っており、モレイラ騎手とは初コンビ。1冠目の皐月賞を制したことで、ダービー制覇へ期待が広がる。もっとも専門紙記者のKは、次のように話す。

「でも、モレイラ騎手は今月いっぱいで今回の短期免許終わりでしょ? ミュージアムマイルはダービーで誰とコンビを組むのか。さらに言うとダービーでの鞍上以前に、この4週間でこれだけ乗れているモレイラ騎手が今週でいなくなってしまうのは騎乗依頼する現場も、予想をする我々も、そして馬券を買うファンの方々にとってもロスが大きいよね」

確かにモレイラ騎手はここまで19勝と乗れている。ちなみに同騎手が短期免許で騎乗したこの4週間に限った騎手成績は以下の通りとなっている。

(1)J.モレイラ【19-11-9-18】
(2)丹内祐次【12-9-3-49】
(3)幸英明【10-4-3-58】
(4)佐々木大輔【9-8-6-54】
(5)坂井瑠星【8-5-5-31】
(7)松山弘平【8-5-4-47】
(7)鮫島克駿【8-4-7-41】
(8)戸崎圭太【8-2-4-17】
(9)団野大成【7-6-2-40】
(10)岩田望来【6-10-4-34】

モレイラ騎手は勝率33.3%で、連対率も50%超。人気馬に乗っているイメージが強いが、今春のGI3勝での人気は順に2、3、3。19勝中8勝は2番人気以下で、勝てる馬に跨っているとともに、馬に足りない部分を補う騎乗でここまで勝利数を伸ばしている。

2位の丹内騎手は今年37勝で、年間リーディングでも2位にランクイン。もともとローカルを得意としており、冬の小倉で17勝をあげて開催リーディングを獲得。春の福島では3日間で8勝をマークしているが、皐月賞デーの中山7Rを10番人気のエコロナイトで逃げ切るなど、今年は中央場所でも存在感を示している。10勝の幸騎手は1番人気での勝利は1勝のみ。桜花賞週の阪神では土曜日の明石特別を8番人気のミアステラで逃げ切るなど1日3勝、日曜日も平場戦で2勝して週5勝の固め勝ちを決めていた。

なお今年ここまで39勝で騎手リーディングトップの戸崎騎手は8勝で8位。もっともダノンダサイルでのドバイシーマクラシック騎乗で4月第1週目が国内不在だったため、この4週間での順位は参考程度に考えておきたい。

さて、この4週間に限った騎手リーディングをよく見ると、ルメール、川田のトップジョッキー2人の名前がない。ルメール騎手はドバイ、そしてオーストラリアへ遠征しており4週中2週不在とあって【4-3-5-9】で23位、川田騎手もドバイ遠征での1週不在で【4-3-7-13】で22位となっている。それだけに春のGIシリーズ後半戦での巻き返しに期待したくなるところだが、Kは疑問だという。

「この4週間の成績だけでなく、今年に入ってからの2人に以前ほどの覇気を感じないのは私だけかな。ここ数年騎手リーディングでワン・ツーを決めていたのに、ここまで川田騎手が31勝で6位、ルメール騎手にいたっては25勝で12位。川田騎手は取りこぼしが目立つようになってきたし、ルメール騎手はアドマイヤデイトナでのケンタッキーダービー遠征で春の天皇賞週に不在だしね」

Kが取りこぼしが目立つと感じている川田騎手の近5年の勝率を調べてみると、順に28.1%、28.5%、25.9%、30.5%、28.1%であったが、今年はなんと21.2%。依然優秀ではあるものの、昨年までと比べると急降下している。またルメール騎手は先週のアンタレスSを単勝1.8倍のミッキーファイトで勝利して今年の重賞3勝目をあげたもののGIは未勝利。かつてのような勢いはない。2人とも、いったいどうしてしまったのだろうか。

「川田騎手はもともと騎乗数を絞るタイプ。そのぶん1番人気でかなりの高勝率だったのですが、馬選びの目利きが悪くなったのか、騎乗数を絞ってきた弊害が出はじめたのか。ただ無理にスタイルを変えてくるとは思えません。ルメール騎手はJRAで通年免許を取得して10年。45歳の年齢的にも、海外での騎乗など成績よりも自分のやりたいことを優先するようになってきたのかもしれません。モレイラ騎手の後はレーン騎手が来日予定ですが、この2人がこんな感じだと騎手事情は大きく変わってくるでしょうね」

モレイラ騎手の活躍よりも、既にモレイラ騎手の帰国後が気になる春のGIシリーズである。

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